多文化交流フェスティバル in TOKYO 2019の報告

 2019年11月4日(月・祝)、四谷区民ホール (東京都新宿区)において「多文化交流フェスティバル in TOKYO 2019~はじめよう!国際協力 つなげよう!世界の絆!~」が開催されました。5回目を迎えた今年は7団体の協力ならびに新宿区と18カ国の大使館の後援をいただき、盛大に行うことができました。当日は約40カ国より500人のかたがたが会場に足を運んでくださり、国際色豊かなイベントとなりました。

 「Peace begins with us」をテーマに掲げた今年のフェスティバルは多文化共生社会の実現の前に立ちはだかる課題と解決策の発信を目指して企画されました。一人一人が多文化共生につながる行動を起こしていくことを促すために、さまざまなプログラムが行われました。

 オープニングでは当フェスティバルのオリジナル・ソング「Love is forever」が披露され、力強い歌声とともにプログラムがスタート。続いて行われたオープニング・セレモニーでは水野達夫実行委員長(元ネパール大使)は挨拶の中で「令和」について触れながら、来場された外国人の皆さんに「日本人にとり、元号、天皇制というものが、単なる形式やセレモニーに留まらず、民族の心のよりどころ、統合の象徴となっていることをこの機にご理解いただければ幸いです」と多文化共生の中に見る日本の伝統文化の価値について挨拶しました。

 協力団体代表挨拶では国連NGOに登録されているUPF-Japanの魚谷俊輔事務総長は、「本日は国際交流ができるベストな機会です。多くの国のかたがたと交流し、今までに経験したことのない貴重な体験になると信じています」と挨拶をしました。

 当フェスティバルは二つのパートから構成されました。一つ目は「多文化ステージ」です。ここではインドネシアやベニンなど各国を代表する伝統的なダンスや歌をはじめ、ストリート・パフォーマンスなどが披露されました。「ワールド・クイズ」のコーナーでは4カ国からの出題者が登壇し、自国についての〇×クイズを行いました。勝者には素敵なプレゼントが送られました。

 「多文化共生トーク」ではスペシャルゲストとしてサンマリノ大使館特命全権大使であり、駐日大使全体の代表である駐日外交団長を務めているマンリオ・カデロ閣下と元JICA職員で立命館大学オーナーズプログラム・アドバイザーの成瀬猛氏、モデレーターとしてイスラム評論家のフマユン・ムガールさんが登壇。最初にカデロ閣下が「天皇制や元号から見た日本の文化」について15分間のスピーチをしました。その後、ムガール氏をモデレーターとして、「日本の多文化共生に必要なこと」をテーマに3人でパネルディスカッションを行いました。多文化共生トークは参加者が多文化共生の問題と解決に関して考えるきっかけとなりました。

 会場により共感を呼んだのは「日韓友好の特別企画」です。日本と韓国の溝が日々深まっていく中、民間レベルから日韓友好の必要性を訴えていく機会として行われました。日韓友好スピーチでは日本人の父と韓国人の母をもつ大学生が韓国の赤十字と協力して行った高齢者へのボランティアを通して感じたことを力強く発信しました。「私たち日本人が真摯に韓国人のかたと向き合い、友達や兄弟のように握手をすればすべてが変わっていくと思います」参加者の多くは感銘を受けていました。

 その後、韓国の伝統楽器やダンスで魅了する統一音楽舞踊団と日本人バイオリニスト・Taeさんのコラボ演奏が行われ、参加者の心に響くパフォーマンスとなりました。

 また「多文化青年スピーチ」も観客を魅了しました。国際結婚をした二人の青年がステージに立ち、「環境問題」と「新しい文化」について彼ら自身が実際に行っている活動紹介とともに多文化共生社会の実現に向けての提言を行いました。

 多文化交流フェスティバル in TOKYOのオリジナルテーマソング「Because of Love」が披露された後、パフォーマンスや国際交流を通して、多文化共生社会の一端を感じた思いをこれからの行動につなげていくために、会場全体で「One Global Family宣言」を共有する時間をもちました。司会が内容を読み上げた後、会場の参加者から賛同の拍手が上がり、代表してカデロ閣下と実行委員長が宣言文に署名しました。
フィナーレでは会場全体で「We are the world」を合唱。パフォーマーや来場者が舞台に上がり、手をつなぎ合いながら歌う感動的なフィナーレでした。
 
 二つ目は「Small Worldひろば」です。エキシビションのコーナーでは大使館やNPO団体、在留外国人のグループを含む16団体が各国の紹介や団体紹介、物品販売を行いました。また防災ブースも出展し、新宿区防災センターからお借りしたパネルや多言語の防災マニュアルの配布、便利な防災グッズの紹介行われました。
「ファミリーコーナー」では子どもたちが外国の遊びが紹介されました。ミニステージではストリート・パフォーマンスを皮切りに、日本―タイ家庭の華麗なタイの伝統舞踊を披露したり、日本―フィリピン家庭の親子でのギターと歌のパフォーマンスをしたりと会場を盛り上げてくれました。
 
 また「Small Worldひろば」で行われた「あいさつスタンプラリー」は、大変好評でした。来場した外国人には自国の国旗シールが手渡され、来場者は出会う人にその国のあいさつをすると国旗のステッカーがもらえます。簡単に世界各国の人々と交流できるということで、大人から子供まで、年齢に関係なくスタンプラリーを楽しみました。 参加者の一人は 「多くの国のかたと出会い、交流する機会を通してとても楽しむことができました。言語や文化を超えて平和と調和と共に住む世界を体感できました」と感想を述べてくれました。

 2020年には東京オリンピックがあり、政府は4000万人の外国人観光客を迎えていく方針を打ち出しています。一方、日本国内にはまだ外国人に対して、多くの壁があることも事実です。そのような社会的背景の中で、日本人がグローバルな心で温かく外国人を迎え、そして家族のように和をなしていく社会を作っていくための機会として、多文化共生社会実現のためのきっかけ作りができるフェスティバルになりました。

 来場していだいた皆様とご協力いただいた団体の皆様に感謝を申し上げます。また来年の「多文化交流フェスティバル in TOKYO」の開催に向けて邁進していきます 。

◆参加者の感想

・とてもいいフェスティバルでした。何よりも家族を大切にして多文化交流を促進している姿が素晴らしかったです。次回もぜひ参加したいです。

・多くの国のかたと出会い、交流する機会を通してとても楽しむことができました。言語や文化を超えて平和と調和と共に住む世界を体感できました。

・本当に楽しかったです! 多文化共生には何よりもステレオタイプを乗り越えて、相手を理解し、愛する心が大切なんだと学ぶことができ、いろいろ勉強になりました。

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